菊爪の婚約指輪|大正期の美意識を、現代の技術で蘇らせた一点
古き良きデザインを、今の時代にふさわしい形で
大正から昭和初期にかけて流行した「菊爪」と呼ばれるスタイル。
まるで花びらのように広がる爪が、ダイヤモンドを可憐に包み込みます。
兵庫県のお客様から、日本的で凛としたこのデザインを「現代の技術で蘇らせてほしい」とご依頼をいただきました。
IZURUでは、この想いに応えるべく、当時のデザインをただ再現するのではなく、強度・輝き・着け心地のすべてを見直し、現代的なジュエリーとして再設計しました。
お客様との対話から生まれたデザイン
最初のご相談では「写真のようなデザインは可能でしょうか?」というご質問をいただきました。
そのお写真には、大正モダンを感じさせる品格を備えた、繊細で個性的な指輪が写っていました。
ただ、当時の指輪は非常に薄く、構造上そのまま再現するのは難しいため、デザインに強度を持たせる工夫が必要でした。
お客様と何度もやり取りを重ねるなかで、
– 腕(シャンク)はストレートに
– 中央の菊爪は当時の雰囲気を保ちつつも、立体的に
– ダイヤモンドに向かって絞られる、自然なシルエット
というデザインにたどり着きました。
構造と輝きへのこだわり
横から見ると、ダイヤモンドが宙に浮いているような印象を受けます。
これは「ティファニーセッティング」と同様に、上下左右から光を取り入れる構造に仕上げたためです。
実際に製作する中で、0.30カラットのダイヤモンドがやや大きく、初期案ではバランスが取れず、何度も図面を引き直しました。
最終的には原型も作り直し、菊爪の花びら部分がダイヤモンドの光を乱反射しながら、柔らかく輝くよう仕上げました。
完成した婚約指輪
完成した指輪を見て、心から「美しい」と感じました。
カメラで撮影しても実物の魅力を完全に伝えるのが難しいほど、繊細な光の表情を見せてくれます。
まさに、大正時代の美意識を継承した逸品です。
お客様からは、
とても美しくつくられた指輪を受け取りました。本当に有難うございます。職人の方にも宜しくお伝えいただけると幸いです。
という温かいお言葉をいただきました。
このようなご縁に恵まれたことを、心より嬉しく思っています。
スペック・価格
- 兵庫県のお客様
- 価格:340,000円(税込)
- ダイヤモンド:0.30ct D VS1 3Excellent
- 素材:Pt900(プラチナ)
- 製作期間:3ヶ月
アンティークデザインのご相談も承ります
このようなクラシカルなデザインをお探しの方は、どうぞお気軽にご相談ください。
IZURUでは、お客様の想いと共に、時代を超えて愛される指輪をお作りしています。