2.47ct 後世に残して欲しいプリンセスカットのエタニティリング
兵庫県のお客様 プリンセスカット エタニティリング
■兵庫県のお客様
■1,640,000円 税込
■プリンセスカット 合計2.47ct
0.53ct E VVS1 None
0.53ct E VVS1 None
0.51ct E VVS1 None
0.45ct E VS1 None
0.45ct F VVS2 None
■K18 イエローゴールド
■製作期間 7ヶ月
合計2.47ct。規格外のプリンセスカットのエタニティリング、どうやって美しく見せるか?
2020年8月にご注文を承り、2021年3月に完成。
完成までに7ヶ月の時間を要しました。
まず、ご注文をいただき、ありがとうございました。
2020年8月にご注文が決まり、お客様はすぐに1,500,000円をお振込みなさいました。
お客様は私を信頼なさって、お振込みなさった後、一切の催促はありませんでした。
コロナウイルスの影響でなかなかプリンセスカットが見つからず、どうしたら良いかと考える日々が続きました。
途中でご返金することも考え、「プリンセスカットが見つからない場合は返金いたします」とお客様に伝えました。
私は急いではおりません。ゆっくり探してください。
このようなお返事をいただき、腰を据えてこのエタニティリングを作ろうと考えました。
たまたま、在庫に寸法の合うプリンセスカットが3個ありました。
途中で在庫の0.45ctのプリンセスカットを使い、上手く設計することを思いつき、お客様にご報告しました。
お客様の了承を得て、今回のデザインでエタニティリングを作ることが決まりました。
中心とその横に0.53ct・0.53ct・0.51ct、0.45ct×2個のプリンセスカットは両端に留めています。
0.5カラット前後の大きいプリンセスカットを使ってエタニティリングを作る。
どうしたら美しく見えるか?
例えば、今回のプリンセスカットの寸法は4.3ミリ~4.5ミリです。
一般的なジュエリー業界の常識では、エタニティリングを作るには大きすぎます。
ダイヤモンドが大きいとゴツくて可愛くない印象になります。
●どうやって可愛く見せるか?
また、ラウンドのダイヤモンドと違い、プリンセスカットは四角い形です。
●どのように爪を配置するか?
●どのくらいの太さの爪が妥当なのか?
●両端の爪が中指と小指に当たって痛くないか?
合計2.47ctの規格外のエタニティリングです。
やってみないと分からないことだらけでした。
最初は常識的な設計で進めました。
こんな感じです。
https://izuru.biz/eternity-ring-no1-0-63ct-platinum/
この商品の延長ですね。
これも正解ですが、今回はプリンセスカットが大きく両端の爪が中指と小指に当たって痛くなります。
あと、流れがスムーズではなく、【美】がありません。
何か上手い解決策がないかと考えていたところ、CADの設計士が両端は壁でプリンセスカットを留めることを思いつきました。
こちらです。
両端の爪をなくし、ゴールドの壁の部分でプリンセスカットを留めています。
ナイスアイデアと膝を叩き、その案を採用しました。
設計士のお手柄です。
そのアイデアで設計を進めて、今回の原型が完成しました。
爪はどのくらいの太さが良いのか?
完成した原型を見た際に、「大きいプリンセスカットを留めるわりに爪が細いかもしれない」と感じました。
そこで太い爪のバージョンも追加で製作しました。
こちらです。
比べると爪が太くなっていることが分かります。
イエローゴールドはプラチナより収縮するので、こちらの太い原型を使うことになりました。
仕上がった商品を見ると、太い爪で正解だったと思います。
今回の指輪についてはまだまだ書くことができますが、長くなるのでいったんストップします。
余裕のあるときに、追記したいと思います。
このエタニティリングは後世に残してほしい。
私達が作ることができるジュエリーの数は限られています。
オーダーメイドで製作出来るのは、1年間で50個くらいでしょうか。
このように考えると、引退までに作ることができるジュエリーの数はそこまで多くありません。
気合いを入れて製作しました。
一つの芸術作品として、残ってほしいと思う指輪です。