プラチナの種類・純度の違いと指輪の選び方【Pt900・Pt950・Pt1000とは?】
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結婚指輪や婚約指輪などに使わる代表的な素材、“プラチナ”。
プラチナについて調べ始めると、【Pt900】【Pt950】【Pt1000】といった純度、【ハードプラチナ】などの種類があり、購入される場合は迷われることと思います。
「プラチナの素材選びに悩んでいる」そんな方のために、“プラチナ”の種類・純度の違いと指輪の選び方について詳しくお伝えしていきます。
1. 結婚指輪・婚約指輪には【Pt900】【Pt950】のプラチナが人気!
2. 【Pt900】【Pt950】が結婚指輪や婚約指輪に選ばれるわけ
3. 結婚指輪・婚約指輪を購入する際のPt900・Pt950の選び方
・プラチナ【Pt900】の特徴
・プラチナ【Pt950】の特徴
4. プラチナ【Pt900】【Pt950】の重さについて
5. 日本の職人は【Pt900】の指輪が好き
6. 人気の細くて薄い指輪に強度をつけるには【ハードプラチナ】が最適
7. 【2018年】最新のプラチナ Pt900・Pt950・Pt1000の相場
8. 【まとめ】Pt900とPt950の素材に優劣はなし! 違うのは“重さ”だけ
9. 【おまけ】ジュエリーにプラチナ使い始めたのは「カルティエ」という話
結婚指輪・婚約指輪には【Pt900】【Pt950】のプラチナが人気!
【Pt】の後の数字は、プラチナの純度を表しています。つまり、【Pt1000】はプラチナ100%という意味です。(ただし、実際には純度100%のプラチナは存在せず、99.95%が限界。)
ジュエリーの世界ではPt1000・Pt950・Pt900・Pt850がプラチナの商品だと定義されています。その中で、結婚指輪や婚約指輪の素材として使わることが多いのが【Pt900】【Pt950】の2種類です。
【Pt900】【Pt950】が結婚指輪や婚約指輪に選ばれるわけ
せっかく結婚指輪や婚約指輪を買うのであれば、純度が高い方がいいと思われるかもしれませんが、【Pt1000】を使うことはあまりありません。
主な理由は2つです。
- プラチナ【Pt1000】は強度が弱い
- プラチナ【Pt1000】は色が黒い
プラチナは柔らかく粘るという特性を持った金属です。この粘る特性に目をつけ、加工してジュエリーとして使われるようになりました。ただ、プラチナの純度が高い【Pt1000】だと強度が弱いため、結婚指輪や婚約指輪には向きません。このため、他の金属を混ぜて強度を強くした【Pt900】や【Pt950】が主に使われています。
また、プラチナ【Pt1000】は黒みがかった白色をしています。
多くの方がイメージされるような結婚指輪や婚約指輪にするためには、もっと白くする必要があり、パラジウムのような白い金属を混ぜた【Pt900】や【Pt950】が選ばれるのです。
結婚指輪・婚約指輪を購入する際のPt900・Pt950の選び方
結論から先にお伝えするとプラチナ【Pt900】も【Pt950】も優劣はありません。
プラチナ【Pt900】の特徴
Pt900は加工がしやすいことから日本国内の指輪によく用いられています。Pt900のメリットは軽さ。
幅が太く重い指輪の場合、Pt900の方が軽くなるので使いやすいと思います。
プラチナ【Pt950】の特徴
ティファニー・カルティエ・ハリー・ウィンストンなど、高級ブランドの結婚指輪にはプラチナ【Pt950】がよく使われています。そう聞くと「やっぱり高級ブランドが採用している素材の方がいいのかな」と思われがちですが、外国には「プラチナのジュエリーはPt950以上にしてください」という法律があるため、Pt950が使用されているのです。
これは海外ではK18・イエローゴールドが主流でプラチナを使うことが少ないからです。諸説ありますが、プラチナを使うことが少ないので、「Pt950にまとめよう」という考えになったようです。
プラチナ【Pt900】【Pt950】の重さについて
指輪の重さはプラチナ【Pt950】の方が【Pt900】より重くなります。このため、価格面ではプラチナ【Pt950】の指輪の方が【Pt900】を使ったものと比較して5,000円~10,000円程度割高です。
弊社では、プラチナ【Pt900】【Pt950】のどちらの素材を使っても品質に大差はないと考えています。
ちなみに、紛失してしまったり、キズが付いてしまったりする可能性があるので基本的にはおすすめしませんが、プラチナ【Pt900】【Pt950】であればどちらも温泉で変色を起こすことはありません。どの素材でも丁寧に結婚指輪・婚約指輪を製作いたしますのでご安心ください。
日本の職人は【Pt900】の指輪が好き
戦後の長い間、日本の職人は結婚指輪にプラチナ【Pt900】を多く使ってきました。
なぜ日本の職人はプラチナ【Pt900】を結婚指輪に使うのでしょうか。答えはとてもシンプルで「作業が楽で、集中して仕事ができるから」です。
昔は今のような便利な機械はありませんでした。なおかつ、好景気で注文が多い時代です。作業の効率をなるべく高くする必要がありました。
ジュエリーに使われる金属の中で、【Pt900 パラジウム10%】は一番トラブルが少なく、職人も「作業が楽だ」といいます。
職人にとって作業が楽ということは、とても大事なことです。作業が楽な方が、集中して仕事が出来ます。つまり、細かい作業も集中してできるので、より繊細なデティールにも対応することが可能になります。ジュエリーの製作に関わる人ならば、多くの人が同じ考えを持っていると思います。
人気の細くて薄い指輪に強度をつけるには【ハードプラチナ】が最適
現在は、細くて薄い結婚指輪が主流です。こういった指輪は強度が弱いため加工してハードプラチナにします。
プラチナにルテニウムという金属を2%くらい混ぜて使うと一気にプラチナは硬くなります。これをハードプラチナといいます。この素材も硬さゆえのメリットとデメリットがありますが、機械が発達して製作時の問題がほとんどなくなりました。
ハードプラチナは修理が大変という声もありますが、そんなことはありません。ハードプラチナでも修理は可能です。
現在、結婚指輪と婚約指輪にハードプラチナのPt900とPt950を使うことが、ジュエリー業界の主流になっています。
もし既にプラチナの指輪をお持ちでしたら、プラチナの種類が内側に刻印されているかもしれません。ご興味がありましたら、ご覧になってみてください。
【2018年】最新のプラチナ Pt900・Pt950・Pt1000の相場
少し専門的な話になりますが、現在のプラチナの相場について。プラチナ【Pt950】の方が高級なイメージがあるかもしれませんが、【Pt900】と【Pt950】の価格の違いはそう多くありません。
会社によってわずかに数字は違いますが、2018年1月24日(水)時点のプラチナPt900・Pt950・Pt1000の相場は以下の通りです。
- Pt1000 3,595円
- Pt950 3,615円
- Pt900 3,630円
2018年、【Pt900】と【Pt950】の価格の違いは1グラムあたり15円くらい。Pt900の方が価格が高いです。Pt900の価格が高い不思議な状況がしばらく続いています。
こういった状況が続く理由はプラチナの価格が下がり、プラチナに混ぜるパラジウムの方が価格が高くなっているからです。10年以上、結婚指輪や婚約指輪を販売してきましたが、初めて見る現象です。(本来であれば、Pt950の方が重いから価格が高くなります。)
【まとめ】Pt900とPt950の素材に優劣はなし! 違うのは“重さ”だけ
【Pt900】と【Pt950】、素材に優劣はありません。2018年現在、大きな価格の違いもありません。違うのは“重さ”と考えていただければOKです。
プラチナ【Pt900】【Pt950】の違い
- Pt900の方が軽い、Pt950の方が重い
- Pt950の方が重いので、価格が高くなる。
- 2018年1gあたりの価格の違いは15円程度
繰り返しになりますが、どちらの素材を使っても品質は同じです。どちらも修理可能なので、その点もご安心ください。どの素材でも丁寧に結婚指輪・婚約指輪を製作いたします。
2018年9月から、ほぼ全ての商品をPt950で製作することになりました。
金属アレルギーのお客様へ
▼【大事】 結婚指輪 金属アレルギーのお客様が安心して結婚指輪を選んでいただくためにお伝えしたいこと
【おまけ】ジュエリーにプラチナ使い始めたのは「カルティエ」という話
ちなみに、プラチナをジュエリーに大々的に使い始めたのは、「カルティエ」の3代目の「ルイ・カルティエ」です。彼はレジェンドです。本当に天才だと思います。
それまで、ジュエリーに使う白い金属はシルバーがメインでした。ただ、シルバーには酸化して黒くなるなどの欠点があって、この問題を解決するためにプラチナが使われるようになりました。
ルイ・カルティエは天才的なセンスを持った人で、彼が手がけた作品は本当に素晴らしいです。特にティアラが美しいです。
この話を書くと長くなるので割愛しますが、ジュエリーがお好きな人は調べてみてください!