愛子さまのティアラについて。 技術の継承の視点から考える
昨日・11月22日(月)は記事を書くことができませんでした。
皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
今日は祝日なのでお休みの方も多いかもしれません。
最近、話題になっている愛子さまのティアラについて。
今日はこのことについて少し文章を書きます。
ニュースを読むと、愛子さまは黒田清子さんのティアラをお使いになるようです。
写真を見ましたが、素敵なティアラです。
皇室と縁が深いミキモトが製作しています。
黒田清子さんのために製作したので、全て株式会社ミキモト装身具が手がけていると思います。
https://www.mikimoto-jf.co.jp/
ジュエリーというのは面白い物で、全ての商品にそれぞれの国の特徴が現れています。
ティファニーやハリーウィンストンはニューヨーク、カルティエはヨーロッパ、ミキモトには日本の香りがします。
だいぶ前の話ですが、2007年に東京のBunkamuraで開催された「プリンセスの輝き ティアラ展」に行きました。
私は特にカルティエのティアラが好きで、うっとりしたことを覚えています。
ミキモトのティアラも展示されていました。
1920年代の作品です。
改めて写真を見ると、黒田清子さんのティアラとデザインが似ています。
きっと、素晴らしいダイヤモンドが使われているので、黒田清子さんのティアラを新たに作り直すのも良いと思います。
少し私見を書きます。
ご存じない方も多いと思いますが、高価なジュエリーのコストはダイヤモンドが多くを占めています。
つまり、ダイヤモンドを再利用すれば、安い費用でティアラを作ることができます。
だから、ティアラを新たに作り直すのも良いと思います。
通常、私はジュエリーのリフォームには反対の立場です。
理由は元のジュエリーに使われているダイヤモンドが良くないことが多く、再利用しても美しいジュエリーにならないからです。
黒田清子さんのティアラは違います。
きっと、全て高品質なダイヤモンドが使われているはずです。
お手入れをすれば、ダイヤモンドは時間が経っても輝きは変わりません。
これらは再利用できます。
技術の継承のため、ティアラを作る機会があった方が良い。
ティアラはジュエリーの中で特別な品物です。
高い技術が必要です。
ティアラを作ることによって、受け継がれる知見があります。
私の知り合いでティアラの製作の経験がある人は数人です。
20代・30代で製作したことがある職人は会ったことがありません。
現在、日本に高価なティアラの需要はほとんどありません。
皇室のティアラを製作するのは貴重な経験です。
宮大工が技術を継承するように、ジュエリーの職人に機会を与えても良いと考えています。
もしかしたら、ジュエリーを製作する技術はなくなっても誰も困らないかもしれません。
ただ、人は「美しい物」を見ると感動します。
その感動が日用品や建物の美意識にも反映され、ひいては値崩れしにくい商品の開発に繋がります。
このような視点で一つお考えいただけたら幸いです。