指輪好きの私が人の左手薬指を見てしまう理由

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左手の薬指

あぁ、結婚指輪や婚約指輪が放つキラキラの素晴らしさといったら。

 

突然ですが、私は指輪が好きです。ある時は、10本の指すべてにデザインの違う指輪をつけて出かける日もあるほど、指輪が好きです。すでに察した人もいるかもしれませんが、結婚指輪や婚約指輪のようなウエディングリングではなく、いわゆるファッションリングが好きなんです。

 

時は過ぎ、今や私はアラサー、独身。(アラサーというのはすでに死語になりつつあるのでしょうか…)結婚適齢期といわれる年に突入した今も、指輪好きは変わりません。買う、買わないは別として、お気に入りのジュエリーブランド、ハンドメイド物やセレクトショップの指輪も欠かさずにチェックしています。そしてそのたびに、「はぁ、なんて可愛いんだろう! 指輪は私たち女性にとっての“トキメキ”を形にしたものだ! 」としみじみ思うのです。

 

先ほど少し触れましたが、これまで私は、結婚指輪や婚約指輪にはあまり興味がありませんでした。結婚の予定がなかったから興味を持つ機会がなかった……と言えば、それらしい言い訳になるでしょうか。

 

そんな私に、ご縁あって山梨のジュエリーブランド『IZURU』の仕事依頼のお話が舞い込んできます。

 

けっこんゆびわ。こんやくゆびわ。
それまで関わることのなかった分野に足を踏み入れることに少し悩みました。「私は独身だし、結婚の予定もないし、あまりにも未知すぎる。」それが正直な思いでした。

 

指輪好きではあったものの、私が好きなのはあくまでもファッションリング。ティファニーの結婚指輪さえ、ちゃんと見たことがなかった。そんな私が、IZURUに出会いました。山梨がジュエリーの街であること、その由来をたどっていくと、実に興味深い。「結婚指輪にこだわるなら、一度山梨へ行くのもいいな」なんて、新しい発見もあったりして。

 

IZURUと出会った私。陳腐な表現になりますが、並ぶキラキラの結婚指輪、婚約指輪にとてもときめきました。私が今まで愛してきたファッションリングとは、まったく仕様の違う美しさです。

結婚指輪って、こんなにきれいなの!?
婚約指輪も色んな形があるのか……

どの指輪を見ても、美しさ、そして奥深さに、ため息が出るほど感心しました。そのときの私は、ダイヤモンドがついた指輪と同じくらいキラキラした目をしていた、そう言っても大げさじゃないと思います。

 

私の両親、祖父母をはじめ、身内は結婚指輪をつけていません。「結婚指輪や婚約指輪は要らない。」そう考える人がいることにも、なんの疑問も持っていなかった。しかし私は、IZURUに出会って、結婚指輪や婚約指輪に込められた思いを知ることになります。

 

結婚指輪や婚約指輪は、心を形にしたみたいなものだな。これだけは、人生で思いっきりワガママを言って形を作っても許される物なのかもしれないな。

 

“本物”を知った私は、結婚指輪や婚約指輪がファッションリングとは一線を画すことを実感することになります。…というか、今まで無意識に避けてきたことを考えると、結婚指輪や婚約指輪が特別なものだということはすでに分かっていたのかもしれません。

 

「なんて素敵な指輪だろうか」

左手の薬指

それからの私は、人と会うたび、薬指を見るクセがついてしまった。そのたびに心の中で「なんて素敵! 」と、一人でにんまりしてしまいます。

 

シンプルでありながら品のある指輪をつけている人、たっぷりのメレダイヤでキラキラしたエタニティリングをつけている人、ひとくせあるセンスの良い指輪をつけている人、ファッションリングと組み合わせてつけている人。(もしかしたらファッションリングの可能性もあるが。)

 

こんなにもたくさんの“トキメキ”と“思い”の形があるなんて!
世界の半分は、やっぱり今日も美しいのね。

 

私は今日も、お気に入りのファッションリングをつけています。なんとなく、なんとなく、左手の薬指を避けて。いつか“本物”をつける日がくるまでは、この指だけはあけておこうかな。

 

(文・mamiko)

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