鍛造で婚約指輪とエタニティリングを作らない方が良い。
鍛造(たんぞう)で婚約指輪とエタニティリングは作らない方が良い?
鍛造が最高だと誤解している人が多い。
たまに「IZURUの商品は鋳造ですか?それとも鍛造ですか?」と聞かれます。
答えは両方です。
鋳造(ちゅうぞう)で作っている商品もあれば、鍛造(たんぞう)で作っている商品もあります。
IZURUの場合、結婚指輪は鍛造で作ることがあります。
婚約指輪とエタニティリングは必ず鋳造(ちゅうぞう)で製作しています。
後で理由を書きます。
ジュエリー業界には鍛造の専門店があって、そのお店で鍛造のメリットしか話しません。
よく日本刀は鍛造で作っていて、鍛造の方が強度が優れていると説明されているようです。
そのため、鍛造の方が優れていると誤解している方がいます。
鍛造だとダイヤモンドが落ちにくい? 本当でしょうか?
鋳造だからダイヤモンドが外れやすい? そんなはずはありません。
「鋳造は指輪からダイヤモンドが外れやすい」と説明するお店もあるようです。
※他にダイヤモンドが落ちる・取れるなどといいます。
そんなはずはありません。
ダイヤモンドが外れるか外れないかは、以下の要素が関係しています。
①原型が正しく作られているか。
②ダイヤモンドの寸法が原型に合っているか。
③石留めの職人が上手いか。
寸法の合っているダイヤモンドを上手い職人が留めれば、ダイヤモンドが外れてしまう確率はとても小さいです。
今まで数多くの指輪を納品しました。
弊社が納品した商品でダイヤモンドが外れるケースは、年に数件です。
確率が低いことがお分かりいただけると思います。
鍛造はダイヤモンドが外れにくい? そのようなデータを見たことがありません。
「鍛造はダイヤモンドが外れにくい」と説明するお店はどのデータを根拠にしているか分かりません。
鍛造の方が強度があるのは事実です。
これはデータがあります。
だから、弊社も結婚指輪を鍛造で作ります。
でも、「鍛造だとダイヤモンドが外れにくい」というデータは知りません。
上にも書きましたが、ダイヤモンドが外れにくい大きい要素は以下です。
①原型が正しく作られているか。
②ダイヤモンドの寸法が原型に合っているか。
③石留めの職人が上手いか。
もしかしたら、私が知らないだけでデータはあるのかもしれません。
ただ、山梨県のジュエリー業界で聞いたことがありません。
鋳造(ちゅうぞう)は古くから伝わる素晴らしい技法です。
鋳造の指輪は品質が悪い?とんでもない。お寺の大仏や鐘は鋳造で作っています。
日本刀の説明があったので、古くから日本にある物で説明します。
例えば、お寺の仏像や鐘は鋳造で作られています。
これらは粗悪品でしょうか?
とんでもない。
長年、技術を積み重ねてきた工場はとても高い品質の商品を製作しています。
また、前に車のエンジンの設計者と鋳造の奥深さについて語り合いました。
エンジンは型を使って鋳造で作ります。
エンジンの型を上手に作ることが出来る職人は貴重だと聞きました。
古くから多くの製品は鋳造で作られています。
多くの方の鋳造に対する誤解がなくなることを願っています。
腕の良い職人は鍛造と鋳造の良いところを使い分けている。
コンクールで優勝した職人とも話す機会があります。
腕の良い職人は鍛造と鋳造の良いところを使い分けています。
鋳造より鍛造の方が優れていると考えている人はいません。
鋳造(ちゅうぞう)の一番のメリットは美しい曲線とデザインの自由度です。
鍛造ではなく、鋳造の一番良いところは何か?
鋳造のジュエリーはCADやワックスを使います。
そのため、曲線の美しさと自由なデザインを追求することができます。
これらを鍛造で表現することは難しいです。
鋳造だから細部までこだわることができます。
婚約指輪とエタニティリングはデザインの美しさが大事だから、鋳造で作ります。
このような理由で婚約指輪とエタニティリングは鋳造で作ります。
私も何度か鍛造で作られた婚約指輪とエタニティリングを見ました。
弊社の美の基準をクリアすることはできませんでした。
そのくらい美とは繊細なものです。
結婚指輪のようなシンプルな指輪は鍛造で作るのに向いています。
手を使う仕事のお客様は鍛造の結婚指輪をお薦めしています。
特に日本刀のようにシンプルな結婚指輪の場合、鍛造で作るのに向いています。
強度も強く、気兼ねなく使うことができます。
参考になれば幸いです。