一柳邦彦さんのクラシックギターを通じて、ジュエリーについて考える。
先日、久しぶりにクラシックギターを購入しました。
愛知県の製作家、一柳邦彦さんの35号 650㎜のギターです。
https://www.muse-ongakukan.com/guitar/guitar_cat/ichiyanagi
通販でこの楽器を購入しました。
いつも通販で指輪を販売しているのですが、自分が買う際は緊張しました。
初めての取引でしたが、ミューズ音楽館の店員さんに丁寧に対応していただきました。
ありがとうございます。
少し言い訳をすると、指輪と違い、ギターは写真を見ても音が全く分かりません。
YouTubeに試奏動画はありますが、あまり参考になりません。
結果は正解でした。
弾いていてとても楽しく、ホッとする音色の楽器です。
長い間、クラシックギターを弾くことを止めていましたが、これを機に再開できたら良いなと考えています。
今回、一柳邦彦の楽器を購入して、新たな気付きというか、ジュエリーに通じることがあったので書き残しておきます。
■世間で特上と言われている材料が、楽器にとってマイナスな点があるかもしれないという話。
■演奏者に勝ってしまう楽器、演奏者に負けてくれる楽器という話。
過去、私は他の製作家の高級なクラシックギターを使っていました。
素晴らしい材料を使った楽器ですが、今はほとんど弾いていません。
なぜか。
アマチュアが弾くには負荷が強いからです。
私見ですが、高級なギターの90%は弾くと疲れます。
仕事が終わった後に高級なギターを持つと、疲れてしまい、すぐに練習を止めてしまう。
こういったことが続きました。
※一般的に、密度が濃い上質なドイツ松、黒々としたブラジリアンローズウッドが、ギターの材料として良いと言われます。
ある日、「もしかしたら、特上の材料を使ってカッチリと作られているから、疲れる楽器になっているのかもしれない」と考えるようになりました。
そこで、身体への負担が少ないクラシックギターはないかなと考え、今までと違う視点で楽器を探しました。
そして、一柳邦彦さんの楽器を見つけました。
以下のインタビューで、一柳さんは「世間で良い材料と呼ばれる物が、アマチュアの演奏家にとっても良いとは限らない」と話しています。
すごく勉強になりますし、共感します。
プロの演奏家とアマチュアの演奏家を比べると、指の柔軟さと強さが違います。
アマチュアが強く重いギターを弾くと、身体を壊します。
一柳さんのギターは他の製作家と違うアプローチで作られていました。
身体への負担が少なく、夜、演奏すると心が落ち着きます。
意図して狙わないと、このような楽器にはなりません。
演奏家にとって何が一番良いのか、ずっと考えているのだと思います。
とても良い出会いでした。
もっと詳しく書くことはできるのですが、あまり長くなってはいけません。
この辺でギターの話はいったん締めます。
話をダイヤモンドとジュエリーに変えます。
私がジュエリーを作る際に気を付けていることは色々とありますが、最初に以下について考えます。
■お客様が満足するジュエリーを作るために、どのようなダイヤモンドを使うべきか。
現在、ダイヤモンドに関する情報は多いのですが、実際にダイヤモンドをルーペで見ている人は少ないです。
「毎日、ダイヤモンドのルースを大量に見ている人」と条件を絞ると、ほとんどいません。
※ジュエリーショップで働いている方も、ダイヤモンドのルースを見る機会は少ないからです。
だから、ダイヤモンドについて、誤った情報が拡がっていると感じます。
特にメレダイヤモンドについてです。
※メレダイヤモンドは結婚指輪やエタニティリングに使う小さなダイヤモンドです。
文章が長くなったので、次回、【メレダイヤモンドのCutはExcellentやH&Cが良いのか?】について書きます。