実は、ダイヤモンドのカットと輝きはあまり関係ありません
- カテゴリ
今回のお話はIZURUの意見です。ジュエリー業界は色々な人がいて、他の意見の方もいると思います。
ひとつの意見として参考になれば幸いです。
ダイヤモンドのカットに関してはいい加減な記事が多い
今、色々な情報がインターネット上に掲載されています。その中には、あまり知識のない人がネットで収集した情報を寄せ集めたような記事もあり、いい加減な内容です。
少しでも一般の方の誤解が解けるように、この記事を書きます。
ダイヤモンドの輝きはカットだけで決まるわけではありません
まずは、ダイヤモンドのカットについて。
「絶対にExcellent(エクセレント)やH&C(ハート&キューピッド)が欲しい。」こんな意見のお客様がいます。
Excellentはカットの最上位グレード、H&Cは表面に矢が、裏面にハートが見えるダイヤモンドのこと。ロマンチックなモチーフであり、高品質であるということに違いないので魅力あるダイヤモンドです。
しかし、これらの意見はあっている部分もあり、間違っている部分もあります。最初にお伝えしたいのは、カットと輝きの関係はそこまで大きくないという事実です。ダイヤモンドの輝きを優先したい人は、カットだけにとらわれないようにしてください。他の要素も輝きに大きく影響します。
順番にご説明いたします。
カットが輝きに大きな影響を与えるとしたら、昔のダイヤモンドは全て駄目なのか?
例えば、ジュエリーの展覧会に行く方もいるかもしれません。
2019年、東京の国立新美術館では、カルティエの展覧会が開催されています。
こういった展覧会で展示されているジュエリーのダイヤモンド。現代の基準と比べると、カットは悪いです。昔は機械がなかったので、仕方がありません。
でも、素晴らしいジュエリーです。とても強く輝いています。このことから、ダイヤモンドのカットと輝きは別の問題だと気付きます。昔のカットの悪いダイヤモンドも、ウットリするほど輝きます。
ダイヤモンドの原石の輝きはとても大事です
あまり語られませんが、原石の品質は輝きに大きな影響を与えます。専門的な内容なので、ジュエリーのお店のスタッフでも、知らない人もいるかもしれません。
ダイヤモンドの原石の元締めのDE BEERS(デビアス)は原石の品質を細かく分けています。IZURUは高い品質の原石を使ったダイヤモンドを輸入しています。カラー・クラリティー・カットが良くても原石の品質が悪ければ、あまり輝きません。だから、原石の品質はとても大事です。
“IZURUのエタニティリングは輝きがすごく”と言われますが、それは原石の品質が良いからです。
Color(色)とClarity(透明度)もすごく大事です
カットにこだわるお客様は多いです。
参考までに、カットの良いダイヤモンドと悪いダイヤモンドをご覧に入れます。違いが分かる方は少ないです。でも、色がついていたり、キズがあるダイヤモンドを見ると、お客様は違いに気付きます。
だから、IZURUはダイヤモンドを選ぶときにColor(色)とClarity(透明度)に気を付けています。
【大事】直径3.4ミリより大きいダイヤモンドは、カットがExcellentの物を使っています
例えば、婚約指輪の中心には【3Excellent】のダイヤモンドを使っています。
また、大きいダイヤモンドを使ったエタニティリングも、Excellentのダイヤモンドを使っています。
合計1.08カラット D VVS 3EXのダイヤモンド。ありったけの想いを注ぎ込んだエタニティリング。
東京都のお客様 合計2.63カラット 特別に大きいダイヤモンドでフルエタニティリングを製作しました。
個人的な意見ですが、大きいダイヤモンドはカットの良いダイヤモンドを使っています。
この部分は少し話が変わるので、他の機会に書きます。
(文・石川祐吉)